別荘の投げ売り?格安別荘の購入は要注意!
ホテル・別荘豆知識
「別荘が安く売られている」という話しを耳にしたことはありませんか?別荘といえば、経済的に余裕のある人がセカンドハウスとして持っていたりするイメージがあるかもしれません。しかしながら、近年「別荘は思ったよりも簡単に手に入るもの」という位置づけになりつつあります。なぜなら、「投げ売り」という言葉を使いたくなってしまうほど、格安で市場に出ている別荘が多いのです。
別荘が格安で売り出されるのにはいくつかの理由が存在しています。
近年、リモートワークやパソコン1つでできる仕事も増え、場所を選ばない働き方も増えています。なかには格安別荘を手に入れて、悠々自適な別荘暮らしを検討している方もいるでしょう。今回は、別荘がなぜ安いのか、格安の理由と、格安別荘以外の選択肢も紹介します。
別荘が格安で投げ売りされる理由
憧れの別荘を格安で手に入れられるのは夢のような話です。軽井沢の別荘が100万円、中には1円で売り出されている別荘もあるほどです。
しかし、安さに飛びつく前に「なぜ格安なのか」という理由を把握しておく必要があります。格安で売られている理由を理解したうえで、理想の土地に住めるのならば、嬉しいに越したことはありません。別荘が投げ売りされる背景には、どのような理由があるのか見ていきましょう。
ライフスタイルの変化
1980年代の別荘ブームから30年以上が経ち、世界的なパンデミックが起こっている時代。生活様式も働き方も大きく変化しました。若い世代のステータスは自動車を持つことではなくなり、マイカーを持つ人が減りました。
週末にも塾や仕事が入る家庭もあり、家族で休日に遠出をする機会も減少しています。別荘を購入して休日を過ごすこと自体が忙しい現代人には難しくなってしまったこともあるでしょう。
ライフスタイルの変化によって、別荘文化に魅力を感じる人が少なくなったことが、別荘の価値が下がった理由の1つです。
バブル崩壊
別荘はバブル全盛期に多く建てられましたが、バブルがはじけて不況になってしまったことも理由に挙げられます。ブームで別荘を建てたものの、実は必要なかったと気づいたり、メンテナンスが大変になったり、持ち続けるのが困難になり手放してしまったことが背景にあります。そのため、別荘が飽和状態になり、価値が下がる結果となりました。
別荘文化全盛期の世代の高齢化
バブル全盛期に働き世代で、別荘が憧れやステータスだった方々が高齢者になっています。高齢になるほど遠出がしにくく、相続をするにも税金がかかってしまうために、相続人がいなくて困るケースもあるほどです。相続人が居ないということは、別荘を引き継ぐ人がいないということになり、現在では投げ売りのような価格で売りに出されています。
日本の不動産制度
日本の不動産には、別荘をもらってくれる人がいないと所有権が放棄できないという決まりがあります。そのため、格安でもいいからとにかく手放したいという人が多くなっているのです。
また、新築が安く建つようになったことにも関係しています。制度においても新築の購入を助成することに力が入れられており、リフォームに助成するなど税制度に目が向けられていません。これによって、中古物件が売れにくい状況になっているのです。
長く放置されている
格安別荘の中には、管理する人もいなくなり、長い間放置されている物件もあります。別荘地ではない田舎の土地でも、20年以上放置されているものはマイナス価格がつくといわれているのです。
熱海などの人気エリアでも長く放置するとマイナス価格になり、お金を払ってでももらってほしいというのが現状でしょう。そのため、投げ売り状態の別荘が増えています。
相続税評価額の方が高くついてしまう
別荘地以外の田舎になってしまうと、売れても10~20万円の物件が、相続税評価額が1千万以上になるケースがあります。明らかに高い税金が相続時に発生してしまうので、投げ売りにしてでも格安で売ってしまうのです。
格安別荘を買うデメリット
市場価格より安い格安別荘は、別荘が欲しい人からするととても魅力的に見えます。メリットは手に入れやすい事かもしれませんが、デメリットも存在しています。ここでは、代表的なデメリットをいくつか紹介します。
維持管理費が莫大にかかる
格安で売り出されている物件は購入後にメンテナンスコストがかかる場合もあります。例えば、100万円で売り出されている物件でも、老朽化のために修繕が必要であったり、庭や駐車場などの外構を整える必要があったりします。
維持管理や修繕がどれほど必要なのかを視野に入れて総合的にかかるコストを算出してみましょう。また、物件自体がボロボロで、マイナス価格になっている場合もあります。現地に行って自分の目で確かめるのが賢明です。
周辺環境が悪い可能性がある
格安で出されている物件の中には、空き家が多いなど、周辺環境が悪い可能性もあります。以前は別荘地として多くの人が訪れていた場所でも、利用する人がいなくなれば人の目も減るため、治安も悪化してくるでしょう。
山に近い場所ならば別荘までのアクセスが可能かどうか、道がきちんと舗装されているかどうかも重要です。自然災害なども多い昨今では、災害時のことも考えて判断しましょう。
一般的な住宅地とは違い、景勝地などに立てられている別荘は何かしらの自然現象で建物に影響を受けているケースもあります。例えば、海沿いの場合は塩害を受けている可能性もあります。雨風だけでなく潮風の影響もあり、修繕しなければ使用できないかもしれません。当時は最高のロケーションでも、年月が経つと景観も変わってくることがあります。
非日常を味わえることが別荘の醍醐味でもありますが、ある程度整った周辺環境であることが大前提です。
格安別荘を買った際に掛かる費用
格安別荘を買った際に掛かる費用としては、次のようなものが予想されます。
手付金 | 物件価格の10%~20% |
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印紙税 | 契約書作成時に1通ごとに必要 |
仲介手数料 | 仲介会社を通した場合は最大で物件価格の3%+6万円(別途消費時) |
固定資産税 | 課税標準額(固定資産税評価額)×1.4%(標準税率) |
住民税 | 市町村民税3,500円と道府県民税1,500円を合わせた5,000円 |
不動産所得税 | 固定資産税評価額 × 4% |
また、格安別荘の場合は原状復帰やリフォームに費用がかかることもあります。一例としてはこのようなものがあります。
シロアリ駆除と床下換気扇の設置 | 約98万円 |
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シロアリ防除剤・防カビ剤の散布 | 約32万円 |
屋根の修繕と外壁塗装(足場を組んでの作業) | 約77万円 |
床の補強工事 | 約9万円 |
浄化水槽の設置 | 約100万円 |
水道管と水栓の修理 | 約24万円 |
一戸建ての場合とリゾートマンションの場合でも費用が変わってきます。マンションの場合は積立修繕費や管理共益費が必要になるでしょう。
これら全てが当てはまるとは限りませんが、特に屋根と水回りの修繕には莫大な費用が掛かるので注意です。購入前にしっかりと確認しておきましょう。
別荘以外の選択
別荘以外にも別荘ライフを満喫できる方法があります。東急バケーションズでは、2種類の会員制リゾートスタイルがあり、スポットで楽しめるものと10年単位で長く楽しめるものがあります。
全国17ヶ所の厳選されたリゾートには、キッチンや家電製品が完備され、暮らすように泊まれるのが魅力。まるで別荘に来ているような感覚が体験できます。愛犬・愛猫と一緒に泊まれるリゾート施設もあるので、家族全員でリゾート地を満喫できるでしょう。
維持管理が不要なだけでなく、貸出品が利用できるなどサービスも充実。到着したらすぐにくつろげる気軽さも魅力です。
まとめ
格安別荘は金額こそ魅力的ですが、その陰にある隠れたコストやデメリットも見逃せません。希望の物件を見つけたなら、利用できるまでにいくらかかるのかもしっかり確認しましょう。人気の有名別荘地でも、格安な理由を知ったうえで冷静な判断が必要です。東急バケーションズの会員制リゾートでは、気軽に始められるプランもあるため、お試しで別荘体験をしてみるのもおすすめです。